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あまり時間がないのでここだけ更新しています。 その日書いた分をまとまりなく記事にしています。 ある程度まとまったらHTMLにする予定です。
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 ウキウキと突き出された携帯の画面に、短いメールの本文が表示されている。短い内容で、開いてもいなかった奴。十一時二十分頃、授業中に来たメール。

ちゃんと読んでね

 最後に矢印が二つ重なった絵文字。
「ここ、こっち向き」
 メールの末尾に挿入された赤い上向きの矢印をなぞって、勘右衛門の右の人差し指が画面上を上にスライドする。
「本文の二つ上の欄は『件名:最後まで』」
「最後までちゃんと読んでね」
「本文の最後の絵文字をちゃんと読んでね、ってこと。暗号っていうのはさ、大抵の場合、一番初めに送信者宛に解読法が述べられているものなんだ」
 勘右衛門が得意げに語った。つまり、そういうことだ。
「さっきのメールは『夜』だ。内容と関係ない絵文字。現在時刻から考えて……まずここで違和感覚えなきゃ、名探偵にはなれないな」
 残念ながら、こっちにはそういった予定はない。
 それに、奴の考えた暗号を解けたからといって、名探偵だなんてとてもじゃないが名乗れない。と、思う。
「この最初のヒントから、四通目、再び本文の最後に絵文字が入っている。『空がすごい』末尾に、月。その一通後、『アイスとチョコのどっちがすき?』末尾は『ケーキ』」
 この二つとも、件名は無し。今日は昼間に月が出ていた。それから、奴とアイスやチョコレートの話などしたことはない。変なメール。
「で、次のメールの最後に『手紙』」
 勘右衛門が人差し指で空中に横長の長方形を描いた。三角形の折り返し付き。
「メールじゃなくて?」
「ざっと読んでみたら手紙の方っぽかった。判ってるくせに引っ掛けるようなこと言うなよ」
 ちょっと、口を尖らせた。
「答えが判ってるのに話に付き合ってやってるんだ。感謝しろよ」



これ一回書いた部分をちょっとだけ変えつつ書き直してるんですが
そういうのが一番めんどくさいと最近気がついた
繋ぎ合わせたりするからテンポ保てないしリズム狂うし
しかし使いたい言い回しがあるから繋ぎあわせたいし
進められなくて眠くなるし
更に進まなくなって先のシーンが書けないし
悪循環

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 そういえば、あのメールはちゃんと消えているだろうか?
 先週受信した、写真付きの二つのメール。女子の生足と黒焦げの死体。
 その二つは個人的な感情と万一の際の情報戦略として、内容を記憶した後、確かに削除の操作を行った。そのぐらいの基本的な操作は学習している。
 でも、一度消去したメールを復元する方法があることも知っている。
 ごく普通の男子高校生ができることじゃない、とも知っているけど。
 夢中になって携帯を弄る勘右衛門を眺めていると、少し気分が悪くなった。
 おれはリスクが嫌いだ。
 だから万全に予防線を張る。
 恐らく、勘右衛門は件のメールを見ることはできない。
 と、理性でわかっていても気分が悪いのは、無意識中の不安か。
「わかった」
 勘右衛門が机を叩いた。晴れがましい顔をしていた。
 この顔に恐怖も嫌悪もないんだけど。

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久々知が五年リーダーだ!


相変わらず少しづつ書き進めています
しかし書き進めている割には
書き直しが多く
どこを新しく書いたかよく判らない感じになってきたのでここに載せるのをためらわれる

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「内容はどうでもいいんだな。何の絵文字が入ってるのかってのが問題なわけだ。こいつは基本的に絵文字を多用するタイプみたいだけど」
 多数のメッセージを硬い薄いボタンで逆さに送りながら、”探偵”気取りは推理する。
 一般の高校生にも見抜かれるような暗号って、意味ないと思うんだけど。まあ、受け取る方のおれも、一般の高校生だけど。
「最後に絵文字が――」
「ん?」
「さっきお前が言ったじゃん。最後に入っている絵文字が? 何て予測したっけ」
「ロウソク。ロケット。ロリコン。正解は夜」
「一文字目ね」
「簡単だろ。推理小説じゃ定番過ぎてもう誰も使わないトリック」
「本文最後に入ってる絵文字の、読みの頭文字に意味がある」
 確信を持って、勘右衛門は頷いた。
 尚も多数のメッセージに目を通しながら、イージーモードの暗号を拾っている。
「それにしても」と、作業を続けながら言った。
「異常だ」
「誰が? おれ?」
「いや、このメール送ってる人。さっきも言ったんだけど」
「まともな奴は暗号は送らない」
「メールの中身も変なんですけど」
「そうか?」

おはよう
何時に家を出る?
早起きしたよ先回りしてるよ
塀の上に猫がいたよ
猫の下半身がなかったよ
バス停に猫の下半身の皮が落ちてて女の子たちが騒いでたよ
いい天気だね
今日は何時に授業終わる?
休み時間って何時間ごとにあるんだっけ
どっか授業混ざっていい?
焼却炉の鍵知らない?
一時間目から寝てるのはだめだよ
へいすけくんはまだ社会常識が身についてないよね

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 身に危険が迫っているので助けて、とか来ているのを放置して後味の悪い結果になっても困る。
「また来た」
 携帯の発光ダイオード部分が青、白、緑と順に点滅した。
 この色は非生命的で好きだ。
「”いい天気だよ”ってさ。そんなもん見りゃ判る」
 窓の外は青と白が気持ちのいい快晴だ。今日は朝からずっと晴れている。だから、今日がいい天気だという斉藤からの報告は、これで六回目ぐらいになったと思う。
「最後にロウソクの絵文字がついてない?」
「ロウソク? いや?」
「ロケット」
「違う」
「じゃあロリコン」
「そんな絵文字は存在しない。どんなときに使うのよ」
「じゃあ何の絵文字がついてるんだよ」
「何で逆切れ気味なんだ」
「くだらないことしてるからさ、斉藤の奴が」
 おれは面倒くさかったけど頑張って立ち上がり、勘右衛門の手元を覗きこんだ。いつまでも教室でボーっとしているのが安全とも限らない、と思い直した。
「月と星?」
 の、絵文字が本文の最後に入っていた。黒い四角に白抜きの星と三日月。
「夜、だろ」
「ああ、夜か」
 あいつは本当に馬鹿なのかなんなのか。
 おかしいだろう、今の時間に夜の絵文字って。外はまだ十分明るい。抜けるような大空。もうすぐ夕暮れ。
 ”いい天気だよ(夜)”
 ここ数日の間に、有名な推理小説でも読んだんだろうな。
 手の混んでない上に意味のないトリック。
「つまり……なんだこれ?」
「もうちょっと前の方のメールから読めば判る」
「どんくらい?」
「ヒント居るのか? 探偵やりたいんだろ」
 勘右衛門はちょっとムッとした表情を作った。かと思えば、すかさずニヤリと不敵に笑った。自尊心を満たされた感じ。
「絵文字ね」
 とつぶやき、”斉藤タカ丸”氏からのメールを逆さ順に読み始めた。

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