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「よかった」
 真実、そう思った。
 男は首をひねり、解せないと言いたげにおれを眺めていた。
「いいんですか、未成年なのに」
 と、勘右衛門。
「どこでどんな生活を送ろうが、個人の自由ではある。犯罪さえ起こさなければ」
「それにしちゃ物々しい」
 男は一度目を閉じた。俯き、目を開いた。それで、テーブルの上のホットコーヒーを思い出したらしい。生暖かい湯気が少し残ったカップの口を手で塞いだ。意味のない行為。
「個人的にずっと追っている事件がある」
 と、出し抜けに口を割った。
 なるほど、と思う。先が読めた。
「今回の件はある意味幸運だった。お前が遺体の第一発見者になったということが。いや、犠牲者が出ているのに不謹慎な話だとは判っているが……でも、こうでもないと終わった事件を突き回ることはできない」
「おれがあの殺人に関わっていると?」
「いや! いや、いや……どうだろうな。それはお前が一番知っていることじゃないか。第一、あれの真相は直に明らかになるだろう。現場には多くの証拠が残されていた。それはいいんだ。良くはないが、まだ風化していない情報が残っているからな。おれが知りたいのはその前だ。およそ十年前の……どうせ言わなくても判っているんだろう。無神経と思うか? しかしお前の、今後の人生のためにも、また他の被害者、犠牲者のためにも、絶対に解決しなければならないと思っている」
「あれはきれいに解決しましたよ。おれの目の前で」


これを書くために警察用語とか過去の事例とかを調べようとして色々ググると
しばしば恐ろしげな怪文書とか悲惨な事件の顛末とかが引っかかって
ヒエッとなる
深夜に嫌だよね

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