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 かなり前に久々綾の人に「ちょっと変わった久々綾が読みたい」と言われて考えたような気がするボツネタです。

 江戸妖怪もののパロディにしようと思って、どんな妖怪だったら意表を突けるかと考えた結果、人面層になりました。
 仰向けに寝ると一晩中文句を言われるんです。
 ほぼ一発ネタだな。

 とはいえ結構細かいことまで考えてあって、久しぶりに思い出したので粗筋を書いてみます。

 江戸城下の剣術道場で師範代を務めている久々知兵助は、城で開催される剣術大会を控えたある日、背中に妙な腫れ物ができる。
 日を追って大きくなるそれは、数日経つと声を発するようになった。
 曰く、その腫れ物は綾部喜八郎と名乗り、剣術大会を観戦に来る代官の一人が、どうしようもない悪人であるので、大会に乗じて斬るべきだと言う。
 驚いて、そんなことは出来ないと告げると、今度は兵助の生活にあれこれ口出すようになる。
 しばらくはこれも修行の内かと耐えていたが、翌日に大会が迫った日、あまりの口うるささに耐えきれなくなり、町で何かと噂の怪しげな妖怪退治の旅人を訪ねる。

 が、前半で、以下後半。

 人面層の正体は狐の妖怪だった。
 悪代官に狩で仕留められ狐鍋にされて食われた妹分たちのために、復讐しようと兵助にとりついたのだった。
 人間の立場から、その復讐に手を貸すことは出来ないと説得すると、いじけた喜八郎は兵助の背中から去っていく。
 これで一安心かと思いきや、大会当日、喜八郎は自分の手で悪代官を討つために出場者の一人と成り代わって城に現れる。
 隙を見て悪代官へ飛びかかる喜八郎だが、妖怪と言っても元が大した力もない狐なので、あえなく返り討ちにあってしまう。
 その場で首を切られる寸前で、咄嗟に兵助が間に入ったものの、そのことで兵助にも謀反者の疑いがかけられてしまう。
 その時悪代官の悪事が路程し、城は混乱に陥る。
 混乱の中、悪代官は兵助によって討たれる。


 という角田喜久雄的な話。
 最後は事件の責任を取って江戸を追放された久々知が、綾部と一緒に旅に出る。

 しかしこの話は三つ問題があって、まず妖怪退治の旅人がどうしても後半の話に全然関わってこないのと、前半と後半で話の繋ぎに困ったことと、悪代官の悪事が露呈する経過を思いつかなかったことがあります。
 その辺思いついたら書くかも知れません。

 妖怪退治の旅人は雷蔵と三郎を考えてました。
 竹谷は出てきてない頃に考えたので、出てきません。


 角田喜久雄だったら悪代官は自滅か。

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