あまり時間がないのでここだけ更新しています。
その日書いた分をまとまりなく記事にしています。
ある程度まとまったらHTMLにする予定です。
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月が眩しかった。暗く影を落とした校舎の内部に、その刺すような光は情け容赦なく降り注いでいた。
久藤准の薄らぼんやりとした視界に、己の薄い影が落ちる。
静かに歩いていた。神経を針のように尖らせて、この校舎の中に潜んでいるであろう、奴を探すために。
靴箱を通り過ぎ、左手に曲がる。右側に教室の並ぶ廊下が長く続いていた。生徒数の多い学園のために、一階に十数の教室が並んでいる。廊下に面した教室の窓から、誰もいない室内が虚ろに覗き込んでいた。
一つ、教室を通り過ぎる。二つ、眼球だけを動かし、並ぶ窓から教室の内部を覗き見る。三つ。四つ。己の足音と呼吸の音、心音が長い廊下に谺する。
いや、響いているのはそれだけではない。微かに、微かに誰かの心臓の音が、聞こえる。それは二階、三階の遠く離れた場所から聞こえているようにも思えるし、今通り過ぎたばかりの五つ目の教室から聞こえていたような、気もする。
静かな夜だ。奴の体内を巡る血液の音も、准の耳には確かに聞こえるのだ。
幻聴かもしれない。奴がここにいると思いこんでいる脳に、過敏になりすぎたその神経が誤作動を起こしているのかもしれない。
だが准には確信があった。結末を語るなら、全ての物語が始まったこの場所だろう。
ここで終わらせなければならないのだ。ここでなければ、物語の騙りは終わらない。
七つ目の教室の前へ、来た。
空気がざわめく。
准の右足が地を蹴った。
同時に、教室側の壁が大きく歪む!
窓のガラスが破ける、コンクリートの破片が准に襲いかかる。吹き飛ぶ土煙と壁の破片の隙間から、硬く握りしめられた拳が僅かに見えた。
弾丸の様に襲い来る。だが准の方が僅かに早い。
後方に飛んだ准の胸を、その拳は掠めた。
もうもうと上がる土煙の中、奴は廊下に両手足をついた。双眼の黒が、准を見上げる。
奴だ!
准は踵を返し、廊下を駆けた。一呼吸の内に、距離が開く。
風のように素早い動きで、准は一つめの教室の横にあった階段まで辿り着き、二段飛ばしに階段を駆け上がる。
久々知兵助はやや遅れてその後を追った。自らが破壊した壁の破片を蹴り飛ばし、粉々に砕きながら、地響きのように力強く響く足運びで。
追う兵助が、幾分不利か。高所を取った准に地の利がある。
階段の上部から、兵助の頭上目掛けて雨垂れの様に鋲が降り注ぐ。先を走る准が振り返り、攻撃を仕掛けたのだ。
次々と鉄の刃が兵助を襲う。
一瞬、怯んだかに見えた。
だがこれは准のミスだ。
落ちてくる凶器に、兵助はそのまま足を緩めることなく、飛び込んだ。
左手を顔の前へ突き出し、急所を庇いながら階段を飛び上がる。二、三本の鋲が兵助の肩や手の平を貫いたが、それしきのことで止まる相手ではなかった。
見る見る間に両者の距離が詰まる。速度を緩めなかった兵助に対し、准は後ろを振り返って攻撃に出たのだ。ほんの僅かな間だ。しかしそのほんの僅かな間、階段の途中で足を止めたのが命取りになる。
准は再び階段を飛び上がり始めたが、その背後に兵助が迫る。
准の方が、速度がある。二階、三階と駆け上る間に再び距離は開き始めたが、しかしほんの少しの油断も許されない、僅かな差だ。
三階の更に上へ昇る。屋上へ繋がる扉の、小さな四角に切り取られたガラス窓から、月の白光が射し込んでいる。
扉を開く余裕はない。駆け上がる速度そのままに、准は扉へ体当たりを仕掛けた。
鉄の軋む音が、二人の鼓膜を鋭く揺らす。
拉げた扉は屋上へ吹き飛び、准は転がるようにして屋上へ出た。
これ以上、逃げる場所は無い。
フェンスに中る直前で、准は床に片手を付き、その腕の力で空中へ飛び上がり一回転した。
着地した准に向かって、兵助が腕を付き出す。
空気の摩擦する音が聞こえるようだ。
准の喉元を狙ったその腕を、彼は横へ飛ぶことで容易にかわす。
目標を失ったその腕は、准の背後にあったフェンスを掴む。
不快な音を響かせ、フェンスは根元から大きく歪んだ。脆すぎるフェンスでは、兵助は勢いを殺せない。
体勢を崩す兵助の背後に回り込んだ准は、全体重をかけてその背中に拳を突き出した。
兵助がフェンス諸共屋上の端から弾き落とされる。だが、殴りつけた准の拳には、兵助の筋肉に攻撃が阻まれる感触。渾身の一撃でも相手にさしたるダメージを与えられていない。
いいやそれどころか。
殴りつけたその手首が、高く軋む音を上げたのが、准の耳に響いた。
兵助の腕が、准の手首を掴んでいる。
攻撃の瞬間を捉えられたのだ。
諸共、落ちる。
いやあ決着付かないな。
妄想の中では久藤がスピードタイプで久々知がパワータイプです。
妄想の話です。
こういうこと妄想してるとインフルの熱も吹っ飛びますね。いやむしろ熱上がる。
しかし今書かないといけない気がして急に書いてみたんですけど、やっぱりまだ妄想の練り込みが足りないなあ。
何で戦ってるのかも良く考えてないですからね。そこら辺の因縁はやっぱり燃えには重用だ。
あと私は学校の階段昇りながら戦わせるの好きですね。
室町バージョンも考えたんですが、そっちは城の屋根伝いに走りながらのシーンでした。
それも何か既視感あるな。
高いところと月の明るい夜が好きです。
殺陣が栄えますよね。ワンパターンです。
これが誰得かって? 私得です。
久藤准の薄らぼんやりとした視界に、己の薄い影が落ちる。
静かに歩いていた。神経を針のように尖らせて、この校舎の中に潜んでいるであろう、奴を探すために。
靴箱を通り過ぎ、左手に曲がる。右側に教室の並ぶ廊下が長く続いていた。生徒数の多い学園のために、一階に十数の教室が並んでいる。廊下に面した教室の窓から、誰もいない室内が虚ろに覗き込んでいた。
一つ、教室を通り過ぎる。二つ、眼球だけを動かし、並ぶ窓から教室の内部を覗き見る。三つ。四つ。己の足音と呼吸の音、心音が長い廊下に谺する。
いや、響いているのはそれだけではない。微かに、微かに誰かの心臓の音が、聞こえる。それは二階、三階の遠く離れた場所から聞こえているようにも思えるし、今通り過ぎたばかりの五つ目の教室から聞こえていたような、気もする。
静かな夜だ。奴の体内を巡る血液の音も、准の耳には確かに聞こえるのだ。
幻聴かもしれない。奴がここにいると思いこんでいる脳に、過敏になりすぎたその神経が誤作動を起こしているのかもしれない。
だが准には確信があった。結末を語るなら、全ての物語が始まったこの場所だろう。
ここで終わらせなければならないのだ。ここでなければ、物語の騙りは終わらない。
七つ目の教室の前へ、来た。
空気がざわめく。
准の右足が地を蹴った。
同時に、教室側の壁が大きく歪む!
窓のガラスが破ける、コンクリートの破片が准に襲いかかる。吹き飛ぶ土煙と壁の破片の隙間から、硬く握りしめられた拳が僅かに見えた。
弾丸の様に襲い来る。だが准の方が僅かに早い。
後方に飛んだ准の胸を、その拳は掠めた。
もうもうと上がる土煙の中、奴は廊下に両手足をついた。双眼の黒が、准を見上げる。
奴だ!
准は踵を返し、廊下を駆けた。一呼吸の内に、距離が開く。
風のように素早い動きで、准は一つめの教室の横にあった階段まで辿り着き、二段飛ばしに階段を駆け上がる。
久々知兵助はやや遅れてその後を追った。自らが破壊した壁の破片を蹴り飛ばし、粉々に砕きながら、地響きのように力強く響く足運びで。
追う兵助が、幾分不利か。高所を取った准に地の利がある。
階段の上部から、兵助の頭上目掛けて雨垂れの様に鋲が降り注ぐ。先を走る准が振り返り、攻撃を仕掛けたのだ。
次々と鉄の刃が兵助を襲う。
一瞬、怯んだかに見えた。
だがこれは准のミスだ。
落ちてくる凶器に、兵助はそのまま足を緩めることなく、飛び込んだ。
左手を顔の前へ突き出し、急所を庇いながら階段を飛び上がる。二、三本の鋲が兵助の肩や手の平を貫いたが、それしきのことで止まる相手ではなかった。
見る見る間に両者の距離が詰まる。速度を緩めなかった兵助に対し、准は後ろを振り返って攻撃に出たのだ。ほんの僅かな間だ。しかしそのほんの僅かな間、階段の途中で足を止めたのが命取りになる。
准は再び階段を飛び上がり始めたが、その背後に兵助が迫る。
准の方が、速度がある。二階、三階と駆け上る間に再び距離は開き始めたが、しかしほんの少しの油断も許されない、僅かな差だ。
三階の更に上へ昇る。屋上へ繋がる扉の、小さな四角に切り取られたガラス窓から、月の白光が射し込んでいる。
扉を開く余裕はない。駆け上がる速度そのままに、准は扉へ体当たりを仕掛けた。
鉄の軋む音が、二人の鼓膜を鋭く揺らす。
拉げた扉は屋上へ吹き飛び、准は転がるようにして屋上へ出た。
これ以上、逃げる場所は無い。
フェンスに中る直前で、准は床に片手を付き、その腕の力で空中へ飛び上がり一回転した。
着地した准に向かって、兵助が腕を付き出す。
空気の摩擦する音が聞こえるようだ。
准の喉元を狙ったその腕を、彼は横へ飛ぶことで容易にかわす。
目標を失ったその腕は、准の背後にあったフェンスを掴む。
不快な音を響かせ、フェンスは根元から大きく歪んだ。脆すぎるフェンスでは、兵助は勢いを殺せない。
体勢を崩す兵助の背後に回り込んだ准は、全体重をかけてその背中に拳を突き出した。
兵助がフェンス諸共屋上の端から弾き落とされる。だが、殴りつけた准の拳には、兵助の筋肉に攻撃が阻まれる感触。渾身の一撃でも相手にさしたるダメージを与えられていない。
いいやそれどころか。
殴りつけたその手首が、高く軋む音を上げたのが、准の耳に響いた。
兵助の腕が、准の手首を掴んでいる。
攻撃の瞬間を捉えられたのだ。
諸共、落ちる。
いやあ決着付かないな。
妄想の中では久藤がスピードタイプで久々知がパワータイプです。
妄想の話です。
こういうこと妄想してるとインフルの熱も吹っ飛びますね。いやむしろ熱上がる。
しかし今書かないといけない気がして急に書いてみたんですけど、やっぱりまだ妄想の練り込みが足りないなあ。
何で戦ってるのかも良く考えてないですからね。そこら辺の因縁はやっぱり燃えには重用だ。
あと私は学校の階段昇りながら戦わせるの好きですね。
室町バージョンも考えたんですが、そっちは城の屋根伝いに走りながらのシーンでした。
それも何か既視感あるな。
高いところと月の明るい夜が好きです。
殺陣が栄えますよね。ワンパターンです。
これが誰得かって? 私得です。
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