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 彼女との再開はこんな感じだった。
 その後。怖いもの知らずらしい彼女の急な告発により周囲は凍り付いた。何を言い出したんだ、ってそんな空気で。彼女のお友達もぎょっとして言葉に詰まっている。
 これはおれが悪者になった方がいいんだろうか。どんなやり方が正しい?
 おれもさっきの彼女のように、他人に助けを求めて尾浜の方を見た。
 呆れ返ったように肩をすくめて、口を噤んでいる。高みの見物の様。なるほど。
 おれも肩をすくめた。
「ま、いいさ」
 良いも悪いも、別に何もないんだけど。
「嫌なことを思い出させて悪かったよ。別に綾部に合うために戻ってきたわけじゃない」
 矛盾した。さっき「会いたかった」なんて言った気がする。
 彼女は訝しげにおれを睨み上げた。会いたかったわけじゃないなら、どうして? そう言われたわけじゃないけど、当然の疑問だ。でも答える必要はなかった。
 チャイムが鳴った。もう行くぞ、と尾浜が声をかてきた。素晴らしいタイミングだった。動き出した廊下のどさくさに紛れて、そのまま立ち去った。
 その日からおれは彼女をストーキングしてみることにした。
 そうして考えてみると、これは全く不用意な行動だった。思わず彼女に話しかけたことだ。引けない理由を自分で作ってしまった。

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