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あまり時間がないのでここだけ更新しています。 その日書いた分をまとまりなく記事にしています。 ある程度まとまったらHTMLにする予定です。
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 おれは肩を竦めた。鼻で笑って見せた。
 やっぱり、嫌いじゃない。主に二つの理由による。
 一つは清廉潔白な被害者の身としては、このような野次馬による目撃証言というのは非常にありがたいものだということ。
 もう一つは、こいつはおれの経歴をダシにして会話をするのに、他の人間よりもほんの少し抵抗が少ないということだ。
 これまでの人生の半分以上が「腫れ物」なおれにとって、そこを触れずに当たり障りなく楽しい会話というのも労力を要する。気を使われないように気を使うのも面倒くさい。その点こいつは、そんな相手の顔色を読み間違えた気遣いよりも、好奇心の方を優先する。つまり、適当に対応しやすい。
 まあ、たまに正気に戻って気まずそうな顔をされることもあるけど。
「しかし兵助くんよ、どうすんだこれ。暗号。ストーキング宣言。闇討ち予告か? 夜道に気をつけろ的な」
「だからいつ帰ろうか、困ってたんだ」
 嘘だけど。
 だってこれ、奴がおれを付けてるって話じゃないだろう。誰かがお前を付回しているから気をつけろ、という警告だ。読み間違い。面白いので、訂正しないけど。
「兵助君、やたらとストーカーからモテるね。今季二人目?」
「変態との縁がやたらあるのはもう諦めてる」
 親からしてアレなんだし。間違いなく遺伝しているだろうというのが残念な現実。
「で、どうする? 一人で帰れる? 夜道が不安ならこの探偵役のおれがついて行ってやろうか」
「まだ夕方だけど」
 と、言いつつ、おれは勘右衛門と一緒に教室を出た。
 付けてる。帰り道、気をつけよ。
 心当たりとしては、あの変態野郎の犯人しか思い浮かばないんだけど。
 おれも気がつかなかったのに、タカ丸は何で気がついたんだろうか。気がついてしまって、無事なんだろうか。戦力として勘右衛門ってどうなんだろう。こいつ、おれに似てるから、大丈夫そうだと思うんだけど。
 まだ会いたくない。


長々と書き続けたシーンがやっと終わって
あれなんですけど
このシーン 全く必要ないシーン
暗号の解読とか完全に無意味
無意味なことをやっているタカ丸と、その性格を知ってるので深く考えなくとも暗号が解ける久々知と
勘右衛門が楽しそう
っていうだけのシーンであり
それが話しの中で必要かと言われたら
別に他のシーンでも性格は結構書いてるし
いらん……
いらんけど、ラノベなら日常シーンが必要じゃないかと思って書いた

ここまでで話の六分の四ぐらいまで進んだと思う
多分

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「だって推理シーンは手順を追って、親切丁寧に読者への解説をしないといけないだろ?」
「そろそろ家に帰りたくなってきた」
 おれがそう言うと、勘右衛門は深刻そうにニヤリと笑った。
「いいのか? この暗号の内容が真実だとしたら」
 重々しく言った。古い洋物映画の探偵のように。
「手短に」
 そしておれは出鼻を挫く。このやりとりは楽しい。
「はあ」ため息。「まあ、判ってる話聞くのも面倒だよな。でも答え合わせぐらいさせてよ。この暗号はつまり――縦読みだろ?」
「縦読み?」
「あ、そういうのは知らないのね」
 勘右衛門が一人で納得したように頷いた。
「いや、正確に言うと縦読みでもないんだけど。つまりさ、絵文字の読みの頭文字を、繋げて読む。まず最初の『月』『ケーキ』『手紙』」
「つ、け、て」
「で、次が『宝石』。多分これ、『ルビー』のつもりだと思う。赤いし」
「つけて、る」
「『蛙』『笑顔』『リボン』『耳』『チケット』『ニヤリ』『木』『お酒』『月』『ケーキ』『ロケット』。で――」
「ちょっと待て、一気に言うなよ」
「か、え、る、え、が、お、り」
「そうじゃない」
 おれは勘右衛門の手から携帯を奪い返した。ちゃんと全部を記憶してたわけじゃない。
 びっしり並ぶ意味のない受信メールをスクロール。時系列を遡って暗号を読み返す。件名の最後に絵文字が入っているもの、入っていないもの。連続して、あるいは数回の意味の全くないメールを挟んで、記号は挿入されている。記号アリのものだけを視覚、知覚、記憶。
「どうしてお前はその暗号に気がついたのか? そこから考えた方がいいかもしれない」
 つ、き。
 け、ーき。
 て、がみ。
 る、びー。
「ま、普通に絵文字の使い方がちょっと変だってのは気づくだろ」
 か、える。
 え、がお。
 り、ぼん。
 み、み。
 ち、けっと。
 に、やり。
「件名だけ流し見してても、内容と関係無いのに繰り返して使われてる絵文字が目に付くわけだ」
 き。
 お、さけ。
 つ、き。
 け、ーき。
 よ、る。
「もしや暗号か、とね。いくつもの難事件を解決してきた探偵なら、勘が鋭く働くところだろう。名探偵ならば、もしやと思う。ここが見せ所なんだ。半信半疑でもとりあえず考える。暗号の定石として、まず最初に解読方法を相手に提示しておかなければいけないって話はしたと思うけど」
「付けてる。帰り道、気をつけよ」
 つまり、斉藤タカ丸はこの暗号を貫き通すために、意味不明のメールを大量に送ってきていたというお話。依存症に陥っているとか、そういうわけじゃない。
 おれが前に話したメールとかは証拠が残るから、っていうのを気にしているんだろう。
 が、これに意味があるとは思えない。
「でもお前は探偵じゃない」
「は?」
「聞いてた?」
「……聞いてなかった」
 上機嫌で独り言を言っているのは見えていたけど。
 肩をすくめてみせた。特に悪いとは思っていない。
「はあ」再度、ため息。
「おれはさあ、期待してるんだよ君に。最初っから」
「最初って?」
「転校初日。初対面から、顔を見てすぐ直感があったね。言っただろ? お前からは事件の香りがする」


あれ 今気づいたんですけど
ツイッターをフォローして頂いている方増えてますか?(全く使いこなせていない)
ここで言うのが正しいかどうかわかりませんが、ありがとうございます
誰かに読んでいただけていると思うと励みになります

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 ウキウキと突き出された携帯の画面に、短いメールの本文が表示されている。短い内容で、開いてもいなかった奴。十一時二十分頃、授業中に来たメール。

ちゃんと読んでね

 最後に矢印が二つ重なった絵文字。
「ここ、こっち向き」
 メールの末尾に挿入された赤い上向きの矢印をなぞって、勘右衛門の右の人差し指が画面上を上にスライドする。
「本文の二つ上の欄は『件名:最後まで』」
「最後までちゃんと読んでね」
「本文の最後の絵文字をちゃんと読んでね、ってこと。暗号っていうのはさ、大抵の場合、一番初めに送信者宛に解読法が述べられているものなんだ」
 勘右衛門が得意げに語った。つまり、そういうことだ。
「さっきのメールは『夜』だ。内容と関係ない絵文字。現在時刻から考えて……まずここで違和感覚えなきゃ、名探偵にはなれないな」
 残念ながら、こっちにはそういった予定はない。
 それに、奴の考えた暗号を解けたからといって、名探偵だなんてとてもじゃないが名乗れない。と、思う。
「この最初のヒントから、四通目、再び本文の最後に絵文字が入っている。『空がすごい』末尾に、月。その一通後、『アイスとチョコのどっちがすき?』末尾は『ケーキ』」
 この二つとも、件名は無し。今日は昼間に月が出ていた。それから、奴とアイスやチョコレートの話などしたことはない。変なメール。
「で、次のメールの最後に『手紙』」
 勘右衛門が人差し指で空中に横長の長方形を描いた。三角形の折り返し付き。
「メールじゃなくて?」
「ざっと読んでみたら手紙の方っぽかった。判ってるくせに引っ掛けるようなこと言うなよ」
 ちょっと、口を尖らせた。
「答えが判ってるのに話に付き合ってやってるんだ。感謝しろよ」



これ一回書いた部分をちょっとだけ変えつつ書き直してるんですが
そういうのが一番めんどくさいと最近気がついた
繋ぎ合わせたりするからテンポ保てないしリズム狂うし
しかし使いたい言い回しがあるから繋ぎあわせたいし
進められなくて眠くなるし
更に進まなくなって先のシーンが書けないし
悪循環

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 そういえば、あのメールはちゃんと消えているだろうか?
 先週受信した、写真付きの二つのメール。女子の生足と黒焦げの死体。
 その二つは個人的な感情と万一の際の情報戦略として、内容を記憶した後、確かに削除の操作を行った。そのぐらいの基本的な操作は学習している。
 でも、一度消去したメールを復元する方法があることも知っている。
 ごく普通の男子高校生ができることじゃない、とも知っているけど。
 夢中になって携帯を弄る勘右衛門を眺めていると、少し気分が悪くなった。
 おれはリスクが嫌いだ。
 だから万全に予防線を張る。
 恐らく、勘右衛門は件のメールを見ることはできない。
 と、理性でわかっていても気分が悪いのは、無意識中の不安か。
「わかった」
 勘右衛門が机を叩いた。晴れがましい顔をしていた。
 この顔に恐怖も嫌悪もないんだけど。

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「内容はどうでもいいんだな。何の絵文字が入ってるのかってのが問題なわけだ。こいつは基本的に絵文字を多用するタイプみたいだけど」
 多数のメッセージを硬い薄いボタンで逆さに送りながら、”探偵”気取りは推理する。
 一般の高校生にも見抜かれるような暗号って、意味ないと思うんだけど。まあ、受け取る方のおれも、一般の高校生だけど。
「最後に絵文字が――」
「ん?」
「さっきお前が言ったじゃん。最後に入っている絵文字が? 何て予測したっけ」
「ロウソク。ロケット。ロリコン。正解は夜」
「一文字目ね」
「簡単だろ。推理小説じゃ定番過ぎてもう誰も使わないトリック」
「本文最後に入ってる絵文字の、読みの頭文字に意味がある」
 確信を持って、勘右衛門は頷いた。
 尚も多数のメッセージに目を通しながら、イージーモードの暗号を拾っている。
「それにしても」と、作業を続けながら言った。
「異常だ」
「誰が? おれ?」
「いや、このメール送ってる人。さっきも言ったんだけど」
「まともな奴は暗号は送らない」
「メールの中身も変なんですけど」
「そうか?」

おはよう
何時に家を出る?
早起きしたよ先回りしてるよ
塀の上に猫がいたよ
猫の下半身がなかったよ
バス停に猫の下半身の皮が落ちてて女の子たちが騒いでたよ
いい天気だね
今日は何時に授業終わる?
休み時間って何時間ごとにあるんだっけ
どっか授業混ざっていい?
焼却炉の鍵知らない?
一時間目から寝てるのはだめだよ
へいすけくんはまだ社会常識が身についてないよね

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