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あまり時間がないのでここだけ更新しています。 その日書いた分をまとまりなく記事にしています。 ある程度まとまったらHTMLにする予定です。
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「疑ってなんかいないよ」
「嘘」
 にこにこ。こういうのは笑って言われる方が不気味だな。
 でも嘘じゃない。
「動機がないだろ」
「犯行動機」
 と、人の言葉にちょっと付け加えて繰り返して、あーちゃんはぼうっと視線を泳がせた。おれと、彼女の間の空間を、見ている。
「どうして会いたい、ですか?」
「君がどう感じたか聞きたくて」
「へんなの」肩をすくめて、「もっと確信がほしいんでしょう」
「まあ、そうなんだけど」
 あーちゃんとの会話自体、確信が持てないというか。人を喰ったような喋り方をするから。学校の友達ともそうなのかな。小学校の頃はそうでもなかったような記憶があるんだけど。
「カードを全部出してください」
「と、言われてもね」
「白状しなさいと言っています」
 今度はおれが肩をすくめた。そういうシーンなのだと思った。
「大したものじゃないんだけど、これ」
 おれはお気に入りの携帯を開いて、準備していたもう一枚の写真を彼女に突き付けた。携帯の向こうで、彼女の潤んだ片目が瞬いた。
 そして遅れて、半分隠れた少女の顔の、眦と口元がぐにゃりと歪んだ。驚愕、絶望、憎悪、憐憫、綯交ぜ。多分。顔半分じゃ、全てはわからない。
「まだ誰にも見せてない」
 嘘だけど。
「そんなの」
 と、あーちゃんは言いかけた。
 言い終わる前に彼女は動いた。
 手首に熱い線が走った。風のような速さで、彼女の右手が、おれの右手から携帯を奪い取った。きれいに磨いだ桜色の爪が、おれの手首にいくらか食い込んで、皮を線上に剥ぎとっていた。
「私を、脅迫するつもりですか」
 血走った目でそう言った。彼女の興奮した荒い吐息がびゅうびゅうと鳴って耳に届いた。
「さあ……」
 おれは左手で引っ掻かれた手首をぎゅっと握った。ひりひりする。少しだけ血が滲み出している。多分、明日になればほとんど治ってるような傷だけど、なぜか這々の体で立っているような感覚だった。
「誰にも見せていない、ですか」
「こっちの話を聞いてくれたら、すぐ消してやるよ」
「消す?」
「証拠隠蔽してあげる」
 ふ、と彼女が鼻で笑った。
「残念ながら」


久しぶりにちょっとアクション的な
殺陣的な描写が
でもずっと女の子相手ばっかりってのはちょっと情けないので
早い所尾浜とか食満とか犯人とかとの格闘シーンにいきたい

ところでこういう、文章を楽に更新しつつ、後からも頭から順番に読みやすい
そういうシステムはないでしょうか

というかブログの記事の表示順が逆になるだけでいいんだけど
そしたらあとはカテゴリー指定で行ける

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「ダイオキシンが出るんです」
「何?」
「焼却炉。みんな分別しませんからね」
 二枚の鉄を噛みあわせた焼却炉の扉、蓋をあーちゃんの手が叩いた。白い手のひらに泥と錆が付着する。
「これじゃ何も焼けませんよ」
「だろうね」
「鍵がかかっています。叩くと外れるんですけど」
「重たそうだ」
「人目に触れないように運んで、頑張って開けて、放り込んで、煙が上がって、見つかりますね」
「つまり、犯人は君じゃない」
「です」
 今の話で証明されたのは、焼却炉で焼いたわけじゃないってことだけじゃないかな。と思ったけど、言わなかった。



更新作業しなくていいと思うと筆が進む
理由不明
あと好き勝手書いていいやと思うとドンドンいける
もう何書いて嫌われてもまあいいか という結論に達した

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 彼女にメールを送った。
『会いたいな』
 と書いて、それから、メールに小さい絵を入力できるのにさっき気がついたので、一覧の中から赤いハート二つが飛んでいるやつを選んだ。これは絵文字とかいうやつらしくて、何種類もあっておもしろい。多分使い方は間違っていないと思うけど、他の人がどういう使い方をしているのか知りたい。だれかメール送ってきてくれないかな。ちょっと世間に疎くなっている間に色々なものが出来上がっている。
 それから一応、メールには死体の画像を添付しておいた。
 一分経たない内に返信が来た。
『授業が終わったら 焼却炉跡で』
 簡潔な内容。残念ながら絵文字はなかった。
 あーちゃんはちゃんとこの携帯のアドレスを『へーくん』で登録しているのだろうか、と急に心配になった。なんか文面が冷たい気がして。赤の他人に向かって言ってるみたいだ。
 アドレスとへーくんの関連性は紐付いてんのかな。目の前であーちゃんって呼びかけないとダメだったりするのかな。へーくん、ってものへの認識は。どうなんだろう。
 ていうか焼却炉跡ってどこだろう。授業が終わったら、ってあと五分ぐらいしかない。五分で見つかるかなあ。

 教室から跳ねるように飛び出してきた彼女と、廊下でぶつかりそうになった。
「あっ」
 同時に短い悲鳴を上げた。
 小柄な彼女が、廊下に倒れこむ。思わず手を引いて、抱きかかえた。
 軽いな、細いな、生温いな、壊れそうだ、壊してしまいそうだ、と幾つかの不安を抱いて、腕に寄りかかる彼女を抱き起こした。
「あーちゃん」と、取り敢えずお決まりの一言。
「大丈夫?」
「へーくん?」
 目を白黒させて、見上げてくる。
「約束は?」
「ごめん。こうした方が、早いかと思って」
 眉を顰めて、視線を逸らして、口をとがらせた。
「ぜんぜん言うこと聞いてくれない」
「人をなんだと思ってるんだ」
 おれがそう言うと、あーちゃんはあーちゃんは口の両端を持ち上げて、笑った。
「綾部、それ誰?」
 教室の窓から顔を出した女子が、あーちゃんにそう問いかけた。
「友達!」
 あーちゃんは笑ったまま振り返って、答える。
 何人かの女子がニヤニヤ笑いながらおれを眺めた。

「行きましょう」
 と、彼女が手を引いた先が、その焼却炉跡だった。焼却炉じゃない。焼却炉跡だ。前時代的ということで使用されていないらしい。赤いレンガ造りのアンティークなオブジェクト。

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 おれにも当然、感情ってものはある。

□七、被害者少女A
 こう、携帯とか現代の文明の利器への対応も、なかなか様になってきた。昨日生まれて初めて手にした割りには。特にメールを打つのが楽しい。まだ送れる相手が二人しかいないんだけど。
 何といっても写真が取れるのが一番便利だ。記憶よりずっと正確なものじゃないか。犯行現場とかを抑えておくにはね。まあ、証拠が残ってしまうのは、気をつけないといけないけど。
 で、おれはこの真新しい携帯画面にあの写真を――黒焦げの死体の写真を、もう一度開いた。
 直接問い詰めよう、と安直に考えた。あーちゃんに。
 死体の正体は知っている。それ以上の話を。
 この死体を見せることで新たな話が聞けるだろう……という、コマンド選択式のアドベンチャーゲームのイメージ。
 叩けば埃が出てきそうだからね?

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 彼女との再開はこんな感じだった。
 その後。怖いもの知らずらしい彼女の急な告発により周囲は凍り付いた。何を言い出したんだ、ってそんな空気で。彼女のお友達もぎょっとして言葉に詰まっている。
 これはおれが悪者になった方がいいんだろうか。どんなやり方が正しい?
 おれもさっきの彼女のように、他人に助けを求めて尾浜の方を見た。
 呆れ返ったように肩をすくめて、口を噤んでいる。高みの見物の様。なるほど。
 おれも肩をすくめた。
「ま、いいさ」
 良いも悪いも、別に何もないんだけど。
「嫌なことを思い出させて悪かったよ。別に綾部に合うために戻ってきたわけじゃない」
 矛盾した。さっき「会いたかった」なんて言った気がする。
 彼女は訝しげにおれを睨み上げた。会いたかったわけじゃないなら、どうして? そう言われたわけじゃないけど、当然の疑問だ。でも答える必要はなかった。
 チャイムが鳴った。もう行くぞ、と尾浜が声をかてきた。素晴らしいタイミングだった。動き出した廊下のどさくさに紛れて、そのまま立ち去った。
 その日からおれは彼女をストーキングしてみることにした。
 そうして考えてみると、これは全く不用意な行動だった。思わず彼女に話しかけたことだ。引けない理由を自分で作ってしまった。

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